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​Te Fese nen Wücua?
ユキュアとは。

​ユキュアには以下の三つの特徴があります。
1.意識的・知覚可能な〈現在時制〉と無意識的・知覚不可能な〈並行時制〉の区別
2.精神分析学に基づく三つの一人称〈Eu〉〈Aleu〉〈Eseu〉の存在
3.記述の真意や心理状態を問う〈想助詞〉の存在

1.〈現在時制〉と〈並行時制〉
一般的な言語では動詞に現在/過去/未来などの時制があります。
他方で、主観を重んじるユキュアでは「あなたが知覚しているか否か」が時制を左右します。
例えば、あなたの友人Aが今あなたの前で寝ているとします。その場合、ユキュアでは
”Ne sale nö A"(「Aが(あなたの知覚可能な場所で)寝ている」)と言います。
しかし、あなたの友人Bがどこかの山で寝ていることを述べる場合、
"Ne salo no B ne Mottäno"(「Bが(あなたの知覚不可能な場所で)寝ている」)と言います。
後者が並行時制で、そのうち過去・未来・並行・仮定の四用法は場所や時間といった〈座標〉を標示することで区別します。
〈現在時制〉と〈並行時制〉の区別によって、知覚と認識の整合性を図ることができます。

2.三つの一人称〈Eu〉〈Aleu〉〈Eseu〉
精神医学者のジークムント・フロイトは、〈自我〉〈超自我〉〈エス〉の三つから心の構造を把握しました。〈超自我〉は心の規範的な側面を、〈エス〉は心の衝動的な側面を司り、〈自我〉はほか二つの要求を受け取りつつ、外界との窓口の機能も果たします。
また、〈自我〉は心理的安定を保つための無意識的防衛の機能も有しています。
ユキュアにおいては〈Eu〉〈Aleu〉〈Eseu〉がそれぞれ〈自我〉〈超自我〉〈エス〉に相当します。
これらの一人称を使い分けることで、言及が心のどの側面によるものかを明確に表せます。
特に法助動詞との相性が良く、例えば
”Wöle te be eta bin Rizie ba Eu/Aleu/Eseu"(「はご飯を食べたい」)のような場合では、
代名詞に食べる意志/食べるべき規範/食べたい衝動の三つが含意されます。

3.〈想助詞〉
〈想助詞〉はゲーム『アルトネリコ』シリーズに登場する人工言語「ヒュムノス」の文法をリスペクトしたものです。
〈想助詞〉は第一想~第三想から構成され、第一想は「文と感情の合致」第二想は「感情の起伏」第三想は「現状の評価」を表わします(詳しくは文法書のp.11を参照して下さい)。
例えば、〈nul-〉(「全くそう述べたくない」)〈-i-〉(「トランス状態」)〈-d-〉(そこから脱する)〈-eu〉で、
"Nulideu be huvo te Mie bo Ere"(「彼は私に会うだろう」)と言うことができ、「私」は「彼」が「私」に本当に会うとは信じておらず、また、会いたくもないことが分かります。
そして感情の高揚から「私」の言及が主観的な判断によるものだと分かります。
文に〈想助詞〉を含めることは必須ではありません。
他者との対話において発言の真意を秘匿したい場合、〈想助詞〉を用いないこともできます。
しかし自己の内省を行う場合、言及の信憑性や精神状態が表れる〈想助詞〉の記述は極めて重要であると言えます。

その他、内省の記述のために創意工夫を凝らした文法や語彙、ジェスチャーなどが存在します。
詳しくは成果物一覧をご覧下さい。

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